本事業は、「日本酒のテロワール・ブランディング」の取組みの一環として、国内の各酒蔵が立地する「土地」の「地質」と、その仕込み水の「水質」の関係を体系的に明らかにすることによって、そのブランド価値の向上を目指す調査事業です。
その第一歩として、地質学的な見地から特徴的な10地域において、その「地質」の特徴と、その地域に立地する協力酒蔵の仕込み水の「水質」の特徴との関係を明らかにする試みを行いました。
これまで、日本酒の仕込み水についてその水質を分析している研究報告はありますが、仕込み水の水質に影響する地質まで遡ってその特徴を説明している研究はごく限られていました。日本全体の地質を特徴付ける主な地域をカバーして、その地域の仕込み水の特徴を地質の視点から日本全体を俯瞰的に調査分析した事例は、本事業が初めてのケースとなります。
また、仕込み水の「水質」と「酒質」の関係については、上記10地域のより特徴的な仕込み水を酒類総合研究所に提供し、仕込み水以外の条件をそろえた試験醸造によりその酒質の違いを分析して頂くことに留め、その他の研究・分析は酒類総合研究所や他の研究などに委ねることとします。